日本ボクシングヘビー級の王者、但馬ミツロ選手が話題になっていますね。
2022年4月にプロデビューして以来、戦績は10戦全勝(うち7KO)、5戦目まではすべて1ラウンド2分以内で相手をノックアウトしています。
ボディーの打たれ強さにも定評があり、元WBA世界ミドル級王者の竹原慎二さんや元総合格闘家の那須川天心さんなどにボディーブローの連打を喰らっても、余裕の笑顔だったりします!
ですが一方でネット上には、但馬ミツロ選手の実力に対し賛否があるようなのです。一体、どういう事なのでしょうか!?
日本にはヘビー級など重量級の選手が少なく、実績不足だから!?
まず大前提として、但馬ミツロ選手の実力を疑問視する声の多くは、世界に通用するのかという基準に基づいたものだという事です。
実際に第7戦目、判定とは言え勝利したにもかかわらず、試合後には辛口のコメントが多く見受けられました。
但馬ミツロ、正直世界レベルではお話しにならないと思う。
— ザブザブジュダー (@boxing_mma0629) July 21, 2023
但馬ミツロ
この相手だから、この戦い方できるだけで自分からチャンスメイクしないとトップ戦線の選手相手には通用しないぞ
— あしたもジョー (@Babybaby3104) July 21, 2023
但馬ミツロ
「どんな人でも先は分からん」
という思いはあるから「絶対無理」とは言わんけど現状では「ヘビー級で世界」なんて言葉にすら出しちゃいけないレベルだと思うなもうこのレベルの選手なんだなと思う事にするよ
— 静波(ボクシングファン) (@seiha_wilder) July 21, 2023
日本のプロボクシング界では、ヘビー級など重量級の選手層が薄いようです。
日本ボクシングコミッションが発表する日本ランキングのヘビー級に名前が載っているのはチャンピオンだけ。ヘビー級ボクサーはゼロではないが、いても体は小さく、但馬と渡り合えるレベルの選手もいない。
引用元:ABEMA格闘TIMES
世界の中では、日本人は比較的小柄だと言われますね。
プロボクシングは体重別にたくさんの階級がありますが、日本人のプロボクサーが世界を制した階級はやはり軽量級が圧倒的に多いようです。
スーパーフェザー級(~58.97㎏)までは日本人の世界チャンピオンは結構いるのですが、それ以上となると急に少なくなり、スーパーミドル級(~76.2㎏)以上の階級となると日本人の世界王者はいまだ生まれていないとの事。
実際、但馬ミツロ選手のプロデビュー戦の相手は韓国の選手でしたし、2戦目もやはり韓国の選手、しかもその試合に勝利したことで早くも日本ヘビー級の王者となったのです。
(ちなみになぜ日本タイトルの決定戦の相手が韓国人なのかですが、これはヘビー級日本人プロボクサーがほぼ不在なための特例措置ということのようです)
プロデビュー以来、対戦した相手はすべてアジア圏などの選手で、しのぎを削る日本の軽量級や、ボクシングの本場と言われるアメリカなどに比べると
「そこで勝っても世界に通用するの?」
という疑問がある方が多いようなのです。
ただ、この件に関しては但馬ミツロ選手自身がよく理解しているからこそ、いきなり世界の強豪選手と対戦するのではなく、慎重に長い目で戦いを進めて行っているのだと思います。
「昨年は1ラウンドで倒すパッケージで試合に臨んでいたが、今年からは流れの中で倒せたら」と先を見据え、今後対戦相手のレベルが上がったときを想定している。「僕はまだ完成していないので、作り上げながらレコードを作っていく。
引用元:サンスポ
但馬選手が第7戦目の試合後に、
「20日後に次の試合が控えているので、けがをしないように」
試合に臨んだ、とコメントしていたことからも、そのような戦略で闘っていることが伺えます。
ただ、チケットを買って会場に足を運んだ観客や、KOシーンなど派手な試合運びを期待してネット中継を観ていた人たちからすると、物足りなさや、今後の活躍を疑問視する印象が残ってしまい、先述したような辛口コメントとなってしまったのかもしれませんね。
強そうに見えないのは但馬ミツロのぽっちゃり体形のせい!?
そもそもボクサーと言えば、余計な脂肪がついていない、筋肉ムキムキのイメージですよね。
でも現在の但馬ミツロ選手は、そんな感じではなく、ぽっちゃりしています。
この体形のせいで、あまり強そうに見えないのでしょうか?
そもそも、なぜそのような体形なのでしょう。
但馬ミツロ選手が2015年の第85回全日本ボクシング選手権大会で優勝した時は、ライトヘビー級(~79.38kg 以下)でした。
一時期はクルーザー級(~90.72kg)でやることも考えていたそうですが、最終的には
「誰よりも強くなりたい」
と、ヘビー級で戦うことを決めたのですね。そのための増量だったようです。
腹周りに脂肪がたっぷり付いたことで、打たれ強さも増しました。
今後、必要に応じて体を絞っていく事もあるかもしれませんが、フットワークなどのスピード感というよりはパワー、打たれ強さ、上体の動きなど、現在のヘビー級に通用する戦いを見据えた上での思い切った増量ではないかと考えられます。
但馬選手は身長が180㎝とヘビー級で戦うには小柄なので、そこを補うという意味もあるのかもしれませんね。ただ、体が重たくなった分、ラウンドが長くなるにつれスタミナなどが今後の課題になりそうですね。
但馬ミツロは今後、世界に通用するのか!?
その実力について疑問視する声がある一方、デビュー以来、勝ち続けていることもまた事実です。
但馬選手の今後に期待し、応援する声ももちろん多数あります。
最近マジで但馬ミツロさんがヤバすぎてずっと見てる、世界獲ってほしいなー
— カミーオ (@KamioDance) July 29, 2023
但馬ミツロ勝ってた✌️。今回は内容で炎上してたけどオレは普通に応援するぜ。
— にゃんし☆究極生命体ねこちゃん (@nyansi_linerebo) July 22, 2023
最近何かとボクシング問題が多いね!でも但馬ミツロ選手頑張ってほしいな、
勝ち方として僕はありとおもいます。
人には成長過程ていうのがあると思うのでそれは自分自身が一番わかるのでミツロ選手が昨日の試合で自分で感じてるはず!
僕は応援したいと思う!
3150!!— イーグル (@taitoruk) July 21, 2023
ヘビー級プロボクサーがほぼ不在の中で、スパークリングの相手を探すのにもひと苦労のようですが、今年5月にはイギリスからジェイミー・ティシェーバという選手を招いて東京で3週間ほどのスパーリング合宿を行ったとの事。
ジェイミー・ティシェーバ選手は、世界ヘビー級元3団体統一王者のアンソニー・ジョシュアと、現WBAヘビー級正規王者のダニエル・デュボアのスパーリングの相手を務めたことがあるそうですので、相当な実力者です。
「人生で初めて“リアル・ヘビー級”とスパーリングできた。初日の食らいつくのが精一杯という状態から、2週間ちょっとで打ち返したり、相手を下がらせたりできるようになった。トップ・オブ・トップとやっている選手を、駆け出しの自分が体験できてよかった。僕が必要としていた時間だった」
引用元:ABEMA格闘TIMES
というか、そもそも対戦相手や練習相手を探すのにも苦労するという事自体、日本にいながらヘビー級で世界を目指すことがいかに困難な事なのか・・と感じさせられますね。
ダニエル・デュボア選手とのスパークリングである程度の手応えを感じ、あとはヘビー級でどう戦っていくのか、その試合運びの組み立て方がこれからの課題だとの事。
パワーや技術的なものを高めていく事はもちろん大切なのだとは思いますが、
「誰よりも強くなりたい」
という但馬ミツロ選手の本気の思いに私も期待をはせつつ、今後の戦いに注目していきたいと思う次第です。
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