お笑いコンビ「ハイツ友の会」の解散を受けて、ショックを受けたファンの方々も多かったようですね。
解散の理由については、当事者である清水香奈芽さん、西野さんがそれぞれコメントを残されています。
私もお二人のそのコメントを何度か読ませて頂きましたし、他にも関連する記事や意見などいろいろ読んでみました。その上で、私が考える「解散理由」について書いてみたいと思います。
清水香奈芽と西野 お笑い芸人として目指す方向性がズレていた?
ハイツ友の会の解散理由は、お笑い芸人という仕事に対しての二人の温度差だったのではないかと感じています。
そう感じる理由としてまず第一に、西野さんは解散後、引き続き吉本興業でピン芸人として活動を続けると発表されたことです。
解散に当たってのコメントで西野さんはこう語っています。
ずっと心には「辞めたい」がありました。
特にこの1年間本当に苦しかったです。
退所したい気持ちとネタを作ってやり続けたい気持ちが同じくらいの熱量で数秒ごとに自分の中でせめぎ合い、毎日とても悩み、やはり自分はこの職業が好きだと改めて思い、今朝、ピンで活動していく気持ちが固まりました。
退所したい理由はいくらでもあるけど、やはりこの職業が好きだ、と。
であれば、解散を撤回するという方法もあるわけです。
ハイツ友の会の解散を残念がっている方々は本当に多いのですから。
でもそうではなく、西野さんだけがピン芸人として残るのです。
「賞レースで優勝」することに対する二人の価値観の違いとは?
西野さんのコメントでは、「賞レースで優勝したい」という思いが随所に見られます。
賞レースの決勝まではいけても優勝できる気がせず、特にこの1年間本当に苦しかったです。様々な言葉をかけていただきますが、今の漫才やコントの形を変えると自分たちのやりたいネタではなくなります。ですが今の形のままだと優勝できません。優勝できない状況でやり続けるより、今辞めてしまおうと思いました。
西野さんは、優勝することに強い執着心を持っておられるようです。
だけど、「今の形のままだと優勝できない」。
でも、本当に優勝したいのであれば、例え「自分たちのやりたいネタ」でなくなったとしてもかまわないはずです。
もし二人が今後について話をする中で、二人とも同じくらい賞レースで優勝することにこだわりがあったとするなら、今の形を変えるという話題も出てくるはずです。
かと言って、じゃあもし西野さんだけそういう思いが強かったとして、清水香奈芽さんに対してそのような提案ができたでしょうか?
西野さんとしては、せっかく作った今の形を壊して新しいやり方を始めたとしても、それが上手くいくかは分からない。清水香奈芽さんも同じ思いであれば、たとえ失敗したとしても仕方ないと思えるでしょうけど。
お笑いという仕事に対して、その辺りの温度差があったのではないかと思うのです。
「ハイツ友の会」はお笑い界では成功の部類に入るはずなのに・・
実際、清水香奈芽さんのコメントでは、お笑い芸人としての活動は充実していたという満足感が伝わってきます。
芸歴5年目というのはキリが良いので考えるタイミングにもなりました。
実際に今やめようと思える程度にはこの職業での活動に満足したことも、理由の1つです。
劇場メンバーになるという大きな目標が思っていたよりもスムーズに達成できたり、自分が芸人になる前に「おもしろい」「すごい」と思ってみていた方々、近しい先輩、同期、後輩など周りとの関係が徐々に深まっていったり、ネタを褒めてもらえたり、ライブに呼んでいただいたり、ライブをみた方々が共感してくださったり、そして劇場メンバーになってから次の目標としていた各賞レースの本選などにも出場できたり。これだけにはとどまりませんが、どれも嬉しかったです。
「ハイツ友の会」は、数多く存在するお笑い芸人たちの中でもかなり成功している部類に入ると思います。そう考えると、清水香奈芽さんが味わった満足感は至極当然なものだと思うんです。
これって、例えば人気絶頂のロックバンドが突然、解散しちゃったりするのに似ているんじゃないでしょうか。それぞれのメンバーの、どうにも埋めることのできない方向性の違いのような。
初めからそういうつもりでは無かったようなのですが、「ハイツ友の会」が解散することで西野さんはピン芸人として、これから新たに自分の好きな形で賞レースに臨むことができます。
清水香奈芽さん、西野さんはそれぞれこれから新たな道を歩むことになるわけですが、いずれにせよ「ハイツ友の会」として歩まれた日々はきっとお二人にとってかけがえのないものだったに違いないことでしょう。
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