大きな話題となった兵庫県知事選挙でしたが、その候補者の一人でありながらも他の候補者である斎藤元彦さんをあからさまに応援し、当選を後押ししたとされる立花孝志さん。
ですがその後、こんなニュースが・・。
百条委員会の奥谷謙一委員長は、18日の会見で、選挙期間中にNHK党の立花孝志氏が自宅前で街頭演説を行い、「ひきこもってないで出て来いよ。これ以上脅して奥谷が自死しても困るので、これくらいにしておく」と脅迫されたと述べた。
引用元:YAHOO!ニュース
さらにその後、兵庫・南あわじ市の市長選挙に出馬表明したことがまた話題になっています。
そんな中、巷からはこんな声が・・。
立花さんは何がしたいの??金儲け?? TVはなぜ報道しないの??賢い人教えて!
引用元:https://x.com/jyojyonachiko/status/1858802871770509454
立花孝志はまじで何をしたいの…?といーーーーっつも思うんだけど、結局出てきてから一度も消えずに名前が発信され続けてるし、ある意味すごい。
引用元:https://x.com/Fukuko_fukufuku/status/1858444248330457559
あの立花孝志って人は何をしたいの? 何が行動原理なの?
引用元:https://x.com/Akarui626195/status/1859267306200977672
この人はいったい何がしたいの?
立花孝志氏 涙流し「僕には票を入れないで下さい」兵庫県知事選第一声で珍演説 支援する斎藤元彦氏の後に同じ場所で(デイリースポーツ)#Yahooニュースhttps://t.co/hzbDHoXgos
— 堀口こうすけ@れいわ新選組ボランティア (@horiguchireiwa) November 10, 2024
と、いうわけで今回は
立花孝志は結局、何がしたいの?
について掘り下げてみたいと思います。
立花孝志は何がしたくて政治家になった?NHKと関係あるの!?
政治に興味のない人でも、
「NHKをぶっこわ~す」
というフレーズが印象に残っている方は多いと思います。私もそうでした。
今でも、ご自身のYouTubeチャンネルなどではお決まりのフレーズとして必ず最初に言っておられますね。
そうです。立花孝志さんは、NHKをぶっ壊したいんです。
でもそのことと、自らが政治家となって活動することと何の関係があるんでしょうか?
立花さんは高校卒業後1986年にNHKに入局し、2005年7月に退職するまで19年勤務されています。
初任地である和歌山放送局から二度の異動を経て、本部報道局スポーツ報道センターにて勤務していた頃には、すでに大きな額の予算を動かす重要なポストを務めておられたようです。
それに、当時の会長だった海老沢勝二さんとの距離感も近い存在だったとの事。
「NHKはクビ切れないから言う事を聞かないヤツは飛ばすしかない」と海老沢会長がよく話していたと、海老沢氏の側近から孝志は聞いていた。会長の海老沢に意見できる者はおらず、文藝春秋は彼のことを「エビジョンイル」と報じた。
孝志は海老沢に反論できる数少ないNHK職員だった。
そのように、順調にキャリアを積み重ねていた立花さんにある時、転機が訪れます。
2004年7月、週刊文春により「NHKプロデューサー巨額横領事件」が報道されたのです。
その翌日、立花さんは報道局から編成局に異動となり、「紅白歌合戦に関連している不正」を調べる担当になります。
その後、調査していたら、数多くの不正が出てきたんですね。
立花さんはすべて公表して視聴者に謝罪し、新しく出直すという趣旨の提案をしたのですが、当然周りの職員たちからは猛反対を受けます。
尊敬していた海老沢会長も、不正を隠蔽する態度が変わらないことを失望し、NHKを変えるには内部告発しかない、と決断されたのですね。
公権力の不正を調査報道により暴いていく事がNHKの使命である。しかし、NHK自らが不正をし、それを積極的に開示せず隠蔽していることが大問題なのである。
さらに運営資金が受信料という公金であることから、一般企業より厳格にお金をつかうことが求められている。
NHKが一般企業なら孝志は内部告発などしなかった。
ですがそこまでやっても現状は変わらず、精神的にも病んでいた立花さんはNHKを退職します。
フリージャーナリストとなり、その後「2ちゃんねる」、Twitter(現在のX)、YouTube等を通じてNHKとの闘いを始めます。
そうして活動を続けていく中で、立花さんの考えは以下のように構築されていきます。
NHKの解体は不祥事の暴露だけでは無理である。NHKをマスコミが叩き、視聴者や市民団体が不払い活動を積極的に行ない、そして、政治家がNHKの味方をしないこと。この3点が必要だ
ですが当時、大阪市長だった橋下徹さんに、
「NHK受信料制度問題について何か活動する予定があるか」
と質問したところ、今はない、との答え。そのような経過を経て、
孝志は自らが政治家となってNHK問題に取り組むしかないと決心した。
立花さんは、文字通り「NHKをぶっ壊す」ために政治家になったのですね。もちろん、ぶっ壊すだけではなくその後、立て直すために。
立花孝志が自ら立候補してまで斎藤元彦を応援した理由とは?
では次に、なぜ立花さんはあまり関係ないように思える兵庫県知事選挙に、わざわざ立候補してまで斎藤元彦さんを応援するなんてことをやったんでしょうか。
それには、このように語っておられます。
「斎藤さんを助けないと、この国がえらいことになると思った」
引用元:産経新聞
この言葉をそのまま信じるなら、斎藤さんのためというよりは日本の将来の為、ということになりますね。
斎藤さんのパワハラやおねだり疑惑が報じられていた頃、私は
「この人、とんでもない人だな。どんだけサイコパスなの?なんで辞めないの?」
と不思議に思っていましたね。
その後、ネットを通じていろんな情報が出てきて、テレビなどの報道は嘘なんじゃないかという疑いが広まり始め、結果的には兵庫県民の信頼を得た斎藤元彦さんが再選されるという形となりました。
この記事を書いている時点では、真相ははっきりと分かっていません。
ですが、もしテレビなどの報道が嘘だったとして、斎藤さんが辞職したまま何事もなかったかのように元通りになっていたとしたら確かに恐ろしい事だなという気はします。
ただ、立花さんが斎藤さんを応援したのは、そのように日本の将来を考えてということだけでなく、NHK在職中に内部告発をして、自ら大変な経験をしてきたからこそ、斎藤さんの孤独な苦しい立場が自分の事のように感じられ居ても立っても居られなくなったのではないでしょうか。
そんな斎藤さんをこのまま消えさせるわけにはいかないという思いもあったんだと思います。
なぜ立候補した上でそれをやったのかについては、次のように語っておられます。
「当選を目標にしなきゃいけないんだって思い込んでいる常識をちょっと覆したい」
「選挙って効率いいんですよ。やはり選挙に出るからユーチューブを見てもらえる」
「影響力が違う。(ユーチューブなどと)選挙に出て堂々と言うこととは、重みが違うじゃない」
引用元:朝日新聞DIGITAL
もちろん、自ら立候補して他の候補を応援するというやり方には批判の声もあり、今後において議論されていくことでしょう。
今度は南あわじ市の市長選挙に出馬表明!どういう考えなの?
立花孝志さんは2013年9月8日の大阪府摂津市議会議員選挙を始めとして、兵庫県知事選挙を含め15回も選挙に立候補しています。
その内、当選したのは2019年7月に行われた参議院議員選挙を含めて3回。
南あわじ市長選挙に出るとなると、16回目となります。
どんな考えをもって、そのような活動をされているのでしょうか。
まず、政治家になると決めて最初に大阪府摂津市議会議員選挙に出馬した理由は、
選挙に出ようと決めて一番近い選挙が摂津市議会議員選挙だった
から、との事。
この選挙では落選してしまったのですが、これ以降、立花さんは選挙を徹底的に研究し、維新の会が強い大阪では難しいと東京に引っ越し、翌年、町田市議会議員選挙に立候補しました。
再度、落選してしまいましたが、前回よりも大きく票が伸びた事で立花さんは手ごたえを感じます。
そして翌2015年には船橋市議会議員選挙で初当選を果たします。船橋を選んだ理由としては、
この時の選挙は統一地方選挙だったため選挙区を選ぶことが出来た。最も当選しやすい選挙、という基準で選んで船橋市議選に的を絞った。
そのように合理的な手法で、その後も各地に「NHKから国民を守る党」の候補者を当選させていきます。
ですが立花さんは、せっかく手に入れた船橋市議会議員の座を捨てて、2016年7月に行われた東京都知事選挙に立候補します。
当選なんかできるはずも無いのになぜ!?と周囲は呆れたそうですが、立花さんの考えはこうです。
NHKの政見放送を使って300万円でスピーチ出来ることが、如何に価値があるのかを孝志は十分理解していた。
孝志はNHKのスタジオで「NHKをぶっ壊す!」と笑顔で繰り返した。
この政見放送は話題となって孝志の知名度は全国区となった。
先述したように、立花さんが政治家になろうと決めたのは「NHKをぶっ壊す」ためです。
NHKの政見放送と言えば、選挙に関心がある全国民が視聴しますし、話題ともなればさらに全国にその名が知れ渡ります。
その上、多くの人たちに直接、言いたいことが伝わります。
落選したとしてもそれで終わりではなく、「落選を将来への投資」と考えているとの事。
その場の思いつきで適当に選挙に出ているのではなく、先を見据えた上で計画的に行動しておられるのでしょう。
ですが今回の南あわじ市長選挙に関しては、
「完全に当選を目的とし、任期4年間をしっかりと全うしていくつもりだ」
引用元:毎日新聞
と語っています。また、次のようにも。
「斎藤さんをいじめた市長に対して対抗馬を出していくと決めた」
何でしょうね、やっぱり義憤にかられるというか、正義のために戦っている仲間がやられっぱなしで終わるわけにはいかない、そんな思いがあるのでしょうか。
立花さんは幼少期、両親が離婚し父親に引き取られるのですが、父親はお金だけは置いていくものの子供たちの面倒はほとんど見なかったようです。
3歳上のお姉さんからも虐待を受けるような日々の中、淡路島に住む祖父のことは慕っていて、学校が長期休みに入ると必ず淡路島へ行って祖父の仕事を手伝っていたとの事。
その祖父が立花さんに強く影響を与えたと思われる、教えの言葉を最後に紹介したいと思います。
「自分の為に生きるな。公の為に尽くせ。人の為に働くことは美しいことである。嘘はつくな。曲がったことはするな」
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